靴に恋して

久しぶりに冬の夜長に一人でビデオ鑑賞(夫と息子がそそくさと寝てしまったので)。
CATVでそれなりに気になる映画をいろいろHDDに録画しているんだけど、さすがになかなか見る時間がなくほったらかしになっているのが溜まってきた。
その中でも、「イマイチそうなヤツ」を選んで、ほんとにつまんなかったら途中で止めてポイしていってHDDの容量を整理していかなくちゃと思って観だしたのが、この「靴に恋して」だった。
ところがギッチョン(って私はよく使うんだが、これ誰が言ってたんだろうか)、予想に反してかなり良くて魅入ってしまい、見終わった後には素晴らしい余韻を残す、つまり全く期待してなかったのがめちゃめちゃ良かった、という嬉しい誤算な映画だった。
なんかタイトルや広告からしてモードっぽいオッシャレーな女の靴マニアの話かいなと思い込んでたんだけど、はっきり言って全然違った。
確かに「靴」はキーワードのひとつではあるが、本当はもっと深ーい内容で、女性の不安や悩み、不器用さや苦労、不幸なんかが入り交じった人間模様を、スペインはマドリッドの美しい町並みを舞台に鮮やかな色彩で描き出している。(最後のシーンはポルトガルのリスボンで、こっちも「行ってみたい!」と思わせるような、美しい映像)
登場人物の5人の女性は、生まれも育ちも年齢もバラバラで、ストーリー最初には誰も全く接点がないかのように思わせておきながら、後々になって「あ、この人はこうだったんだ」とか、偶然に出会ったりしながら、絡み合って行く感じの展開。私はこの手のやつは大好き。
特に私が印象に残ったのは「スリッパを履く女」のタクシーの運転手。やはり息子を産んでから特に「母と息子」の関係がすごくリアルに感じられるせいか、涙腺もゆるゆるだ。この二人は本当の親子じゃないが、お風呂で息子が「(本当の)ママに会いたい」というシーンなど、じんじんくるものがあるし、ヤク中の義理の娘(姉)が暴れても、動じずに、怖がる息子に気丈に「大丈夫よ」という姿は、ほんと素晴らしくて、私もこのように強くならなければと思わせられた。
このように細かい描写をあげればキリがない。他にもあまたいいシーンがあって私にとってはかなり見応えがあった。まあこういう映画は好き嫌い別れると思うし、退屈だと感じる人はとことん退屈かもしれないが、私はかなり好きだった。
ペドロ・アルモドバルの「オール・アバウト・マイ・マザー」に出てたオカマ役のアントニア・サン・フアンと(本当は女性だって知らんかった)、「ボルベール」に出てた妹?のロラ・ドゥエニャス(パリで観たからフランス語字幕だったんで内容イマイチわかってない)が出ていた。スペインではどんな位置の女優さんなんだろう?みんなすごい存在感で、素晴らしい演技だった。監督のラモン・サラサールもこの作品が長編第一作目という事らしく、今後も期待大である。
靴に恋して
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